9月7日、「安達太良山トレイル50K」レースが開催された。
受付は前日の6日で、受付会場はスタート、ゴール地点でもある、あだたら高原スキー場。この日行われた14Kレースの選手たちが続々とゴールする会場は華やいだ雰囲気に包まれ、50Kレースに参加する者にとっても自然にテンションが上がる。午後3時からは、ランニングユーチューブチャンネル「ガチオのランチャン」を配信しているガチオさんのトークショー&じゃんけん大会が行われた。ゲストランナーとして50Kを走るガチオさんの話だけに、エネルギー補給のことなど、多いに参考となる話が聞けた。
明日のスタートは早朝の午前5時。今日は早く宿に戻り、ゆっくり岳温泉の湯に浸かって、レースに備えよう。
安達太良山トレイル50Kのコースは、一言でいえば、5つのピークを上っては下るというもの。トレイル率98%、累積標高約4000m。途中、小石や砂が敷き詰められた滑りやすい斜面のザレ場や、岩や石が積み重なったガレ場、笹や木の枝が密生して道が見えず、そんな道をかき分けながら進むやぶこぎ(木の枝に頭をぶつける人続出!)、さらに渡渉や鎖場などもある、変化に富んだワイルドなコースが特徴だ。稜線はキャップが飛ばされそうなほど風が強かったが、青空が広がる絶好のコンディションの中、選手たちはその難所に次々と挑んでいく。
取材中、ひとりのランナーが走りながらつぶやくのが聞こえた。「これはアメとムチだな」。ムチとは当然、コースのこと。そしてアメとは。そう、コース途中に広がるダイナミックな風景だ。今回のレースではみごとな雲海を見ることもできた。そんな素晴らしい風景に出合えるからこそ、ハードなコースでも耐えて走ることができるのだ。
あだたら高原スキー場が再び活気づいたのは、トップ選手の姿が見えた時。優勝は岩井竜太選手、タイムは7時間28分37秒。昨年は2位と涙を飲んだだけに喜びもひとしおだ。「全部きつかった」というが、安定した走りはさすが。2位には上位常連の工藤祐輔選手、3位には2位とはわずか20秒差で戸田良樹選手が入った。女子は昨年2位だった冨澤いずみ選手が優勝。特に第3チェックポイントからゴールまでの追い上げはみごとだった。
トップ選手がお昼にゴールしていく中、山では多くの選手が走っている。夜のゴールに備えて、第3チェックポイントの塩沢温泉スキー場では午後3時からライトの点灯チェックが行われた。
午後8時前。220番目の選手がゴールイン。221番目の選手は残念ながら8時過ぎのゴールでタイムオーバーとなったが、最後まで走り切った。これをもって、安達太良の山々を舞台にしたレースは終了。出走人数349名、完走人数220名、完走率は63%だった。
取材・文/高橋寿子
【2025 OSJ 安達太良山トレイル50Kリザルト】男子 | 女子 | ||||||
順位 | レースNo | 氏名 | 記録 | 順位 | レースNo | 氏名 | 記録 |
1 | 73 | 岩井 竜太 | 7:28:37 | 1 | 2 | 冨澤 いずみ | 9:04:41 |
2 | 210 | 工藤 祐輔 | 7:47:28 | 2 | 463 | 松本 春子 | 10:42:24 |
3 | 307 | 戸田 良樹 | 7:47:48 | 3 | 443 | 小幡 真紀 | 10:48:30 |
4 | 74 | 丹野 沙音志 | 7:57:35 | 4 | 448 | 後藤 雅枝 | 10:59:27 |
5 | 296 | 田中 真一 | 8:05:07 | 5 | 79 | 黒田 清美 | 11:12:35 |
エキデン | |||
順位 | レースNo | 氏名 | 記録 |
1 | 3002 | あらさ~ず | 8:13:44 |
2 | 3004 | 飯能ヤマノススメ連合 | 9:00:00 |
3 | 3003 | ケロリン山岳部 | 9:26:12 |